一頭の牛の体が二つに離れた 床一面に拡がる赤い液 ----------------------- スクリーンいっぱいに赤い液
彼は嘔吐を覚えた 体が二つに離れたのは 赤い液が噴き出したのは まさに彼自身であった
私は不具者だ でも私が悪いのじゃない 親が責められるべきなのか? 私が働いても あなたと同じ事をやっても 私は劣る 報酬も少ない だが払った努力は 私の方が多かったのだ あなたはずるけていた
兎と亀の寓話があった 両親はいつも語ってくれた 努力すれば必ず報われるものです だが その確信も 私が一息息を吸う毎に薄れた ほんの一息吸う毎に
そして 赤い液がスクリーンいっぱいに 拡がった時 その確信も全て消え去ってしまった と語る彼
ページトップへ▲